ジェルネイルのトラブル

Collection

2012年11月30日 13:06

爪のおしゃれ障害…感染症、傷、乾燥が原因

つややかな色柄が長持ちする人気のジェルネイルをはじめ、
爪のおしゃれを日常的に楽しむ人が増える中、
健康上のトラブルも少なくないようだ。
美しさだけでなく、健やかさも大切にしよう。



ジェルネイルとは、
爪につけた樹脂を紫外線(UV)で固めるもので、
数日ではげるマニキュアと違って3週間ほど持つことなどから、
ここ数年急速に普及した。

「ジェルネイルを落としたら爪が薄くなり、
伸びてもすぐ折れるほど弱くなった」(千葉県、60代)

「両手の爪のうち計6本が
緑色になってしまった」(兵庫県、30代)

「ジェルと爪の間に水がたまり、
爪に黒いカビがはえた」(東京都、30代)

 爪の“おしゃれ障害”について、
国民生活センターには今年、こんな報告があった。
担当者は「ネイルサロンが増え、
爪のおしゃれが普及した分、トラブル報告も増えている」と話す。
同センターは2008年10月、
ジェルネイルなどつけ爪のトラブル事例を公表し注意喚起したが、
以来、全国の消費生活センターには、
健康被害だけで毎年少なくとも30~40件の情報が寄せられるようになった。

 東京都皮膚科医会学校保健委員長の岡村理栄子さん(60)によると、
障害は
〈1〉感染症
〈2〉爪の根元や周辺の皮膚を傷つけること
〈3〉乾燥―― が主な原因。〈

1〉は、爪が長期間覆われたままになり、
感染症の発症や悪化につながりやすいということ。
爪が緑色になるグリーンネイルは緑膿(りょくのう)菌の繁殖で起きる。

〈2〉は、甘皮の処理で爪の根元(爪母(そうぼ))
が傷ついて起こる炎症や湿疹、かぶれ。

〈3〉は、除光液に含まれる化学物質アセトンによるものだ。

 このほか、UVライトの影響もある。
ジェルを固めるライトでやけどして受診した女性患者(21)もいた。
岡村さんは
「手頃な値段で専用ライトが売られており、
特に若い人に自己処理する人が増えているので心配」と話す。

 「女性の爪は厚さ0・5ミリほどで、
少しずつでも削り続けると、薄く、もろくなる」と警告するのは、
爪の健康に詳しい東皮フ科医院(大阪府堺市)の
東禹彦(ひがしのぶひこ)さん(75)。

つける前の下準備や除去のため、
表面を削る場合があるためだ。
東さんは「健康のためには間隔をあけてつけるのが望ましい。
一度落としたら次は1か月程度休ませてからにしては」と対策を提案する。

 症状が出てしまったら、
また、予防にはどうしたらよいのだろう。

住吉皮膚科院長(東京都墨田区)の住吉孝二さん(41)は「
爪の形や色に気になる変化があったら、
ネイルを落として清潔にするのが第一。
症状がひどければ皮膚科を受診し、
完全に治るまで新しくつけないで」とアドバイス。
クリームやオイルで保湿するなど、日ごろのケアも大切という。

厚生労働省は、
10年にネイルサロンの衛生管理指針を出し、
業界団体も自主基準を持っているが、
法的規制はない。
手軽な自己処理も広がっているが、
爪に負担をかけ過ぎないことを心がけておこう。

(読売新聞(ヨミドクター))

ヤフーニュースから抜粋しました。。。